
駅前不動産スタジアム (2022)
IDEA
未来の鳥栖はどんなまち?
明治時代に鉄道の整備がすすめられて以来、鳥栖市は北部九州における交通の重要地点として栄えてきました。サガン鳥栖やSAGA久光スプリングスなどプロスポーツチームのホームタウンで、鳥栖プレミアムアウトレットや四阿屋などのおでかけスポットもたくさん。全国でもめずらしい現在も人口が増加しているまちです。
一方で、近い将来に全国の人口減少の波や建物の老朽化など、今後たくさんの問題が鳥栖市にも起こりはじめます。鳥栖未来計画では、鳥栖市の過去を振り返りながら未来に起こる出来事をデータから紐ときます。

市報とす 表紙/昭和59(1984年)4月1日発行
良好なアクセス環境を持つ鳥栖市
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●鳥栖という地名は「鳥のすみか」という意味を持っています。その由来は古く、奈良時代にこの地で人々が鳥を飼い 朝廷へ献上したことからついた「鳥屋の郷(さと)」、「鳥樔(巣)郷(とすごう)」であるとされます。由来の通り、いまも生活の中で数多くの鳥たちを見かけるのが鳥栖のまちです。
●鳥栖未来計画では「鳥のすみか、鳥栖」と題し、都市機能が高度に集積し、地域内交流や社会的な互助機能が促進される駅周辺の都市空間再編を考えました。
●現代、こと地方においては自動車輸送が主流となっています。鳥栖においては、JCTを有することから市内の至るところに自動車輸送の起点となる物流倉庫が立ち並び、九州一円の物流と人々の暮らしを支えています。
●九州における交通の要衝となっている鳥栖市。その歴史は鉄道とともにありました。明治時代に九州鉄道が開通して以降、九州北部の鉄道輸送における重要地点であり続け、自動車が輸送の主になった現代でもその地位は変わりません。
鉄道のまち 鳥栖
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●東洋経済が毎年発表している住み良さランキングにおいて鳥栖市は県内1位、九州内で4位にランクインしています。博多駅へ特急で約20分、佐賀市へ15分といった九州各地への良好なアクセス性はもちろんのこと、九千部山をはじめとする豊かな自然や鉄道の利便性が高い評価を得ていることが要因として挙げられます。
●一方で、佐賀県内トップの人口増加率を誇る鳥栖市においても2030年頃には人口減少に転じると予測されています。また鳥栖市の都市課題として、ソフト面では高齢化や生産年齢人口の他地域への流出、ハード面では都市機能の老朽化が挙げられます。これらの都市課題を解決するには都市機能を集積し、都市規模の見直しを図ることが重要です。
●本計画では一定度の人口増加だけではなく、将来的な人口の縮退にも対応した都市空間の再構成を提案内容に盛り込みました。
●提案コンセプトにある「とりの栖、鳥栖」には、鳥栖に 住む人々が鳥の巣のように安心して子育てを行い、シニア ライフを送ることのできる都市空間を創出したいという思いを込めています。

明治22 | 1889年 | 博多駅-千歳川仮停車場 開通 | 鳥栖駅が開設 2代目の駅舎は築120年を迎え、現在も鳥栖のシンボルの一つです。 |
明治24 | 1891年 | ⿃栖-佐賀間が開通 | ⿃栖駅が鉄道の分岐点となりました。 |
大正14 | 1925年 | ⿃栖操⾞場が開設 |
昭和5 | 1930年 | 鳥栖駅拡張期 | 350t積みの⾃動炭給機、操⾞場や転⾞台などSL時代当時のシンボル的施設が設置されました。 |
昭和29 | 1954年 | 鳥栖市が発足 | 鳥栖町、田代町、基里村、麓村、旭村が合併して鳥栖市が発足しました。 |
昭和62 | 1987年 | 鳥栖ジャンクション供用開始 | 九州横断自動車道・鳥栖-朝倉間が開通しました。 |
平成8 | 1996年 | 鳥栖スタジアム完成 | 駅前に巨大なスタジアムが完成。鳥栖のシンボルの一つです。 |
平成7 | 1997年 | ジョイフルタウン鳥栖開業 | 現在のフレスポ鳥栖。現在でも当時の建物が使われています。 |
平成16 | 2004年 | プレミアム・アウトレット開業 | 開業から20年でのべ来場客数9,500万人をほこります。 |
平成23 | 2011年 | 新鳥栖駅が開業 | 九州新幹線が全線開通、佐賀県唯一の新幹線駅が鳥栖に開業しました。 |
— | 2024~ | 中央市場 建物更新の必要 | 大正時代に形作られた中央市場。火災や地震など、災害に弱い建物を更新する必要があります。 |
— | 2025~ | 人口減少期へ | 遅くとも2030年ごろには人口が減少しはじめると推計されています。 |
— | 2030~ | 大正町の建物が更新時期へ | ほとんどが1970年代の建築物。一斉に建て替え時期に突入します。 |
— | 2032~ | 曽根崎 高橋が更新時期へ | 昭和47(1972)年完成の高橋。鳥栖駅の再整備の方向性によって架け替え方法が変わります。 |
鳥栖市公式ホームページ「公称住所別人口及び世帯数」・「鳥栖市の歴史」・「鳥栖駅西広場の紹介」、鳥栖市都市計画課「鳥栖駅西広場を使用する皆様へ」、鳥栖市誌、鳥栖市教育委員会「鳥栖駅本屋建築 調査報告書」、鳥栖本通筋商店街信仰組合公式サイト、国土交通省「平成27年一般交通量調査結果(通称:道路交通コンセンサス) 可視化ツール-主要渋滞箇所」、国土地理院地図、ゼンリン地図等参照。詳細は2024年度報告書にて公開(2024年3月公開予定)。
WHAT WE DO
活気ある鳥栖でありつづけるために
人口が増え続け、活気ある鳥栖市ですが、その未来は必ずしも希望あふれるものではありません。人口減少、建物の老朽化、再開発のめどがたたない鳥栖駅周辺…まちが元気だからこそ課題としてみられていない問題が、少なからず存在します。
任意団体鳥栖未来計画では、鳥栖市議会自民党鳥和会の委託を受けてこれらの課題について研究し、市民の皆さんにわかりやすくお伝えすることでまちの発展に貢献してゆきます。

鳥栖未来計画 佐賀大学美術館展示の様子(2022)